中学受験体験記

中学受験を終えて思うこと

2023年4月に公立中高一貫校に進学した息子。
あっという間に1年が過ぎようとしていて、いつか回想録をしたためておこうと思っていたのも束の間。
そろそろ取り掛からないと記憶も曖昧になってきちゃうし、何よりあの頃の感動が薄らいでいってしまう気がして...
今年も小学生のお受験シーズンが終わり、人のお受験の話を聞いたりニュースを見たりしていると、
今のところまだ鮮明に色々と思い出せます。

うちは、サラリーマン夫とパート主婦の平々凡々な家庭なので、
私学に進学させてあげられるほどの金銭的余裕もなく、公立中高一貫校であればなんとか!というところでした。
それなら無理せず近所の公立中学校でもいいじゃん?という声が聞こえてきそうですが、
私自身も子供の頃に中学受験をして、あの頃を思い出すと本当に色濃い母娘の思い出エピソードがぎっしりと詰まっています。
それが成功しても、失敗しても、少なからず私と息子が二人三脚でできる最初にして最後の大きな挑戦になるだろうということを知っていました。
息子の人生に、そういう思い出を刻んであげたいという私の思いも強かったかもしれない。
だけど、挑戦して良かったなぁと今でも心から思えています。

それは、合格したからというのももちろん大きい!!
目標を掲げたなら、達成したときが一番成長する瞬間だと思う。
受験に限らず、仕事でもなんでも。
人生で目標を掲げた時には、どんなに大きな目標であっても達成したからこそ見える景色があるよなぁと思います。
息子は、受験に限らず生まれてから13年間いろんな挑戦をしてきましたが、何度も挫折したり泣いたり悔しがったりしながらでも、
絶対に投げ出さず、あきらめず必ずそれを達成させてきました。
すごい子だなぁと親の目から見てもまぶしく感じます。

我が家の中学受験は一発勝負で、「失敗=目標未達成」で、リベンジの機会も得られない。
息子にとっては人生の大勝負でした。
市内には1校しかない公立中高一貫校であり、他のお受験仲間のように私立の滑り止めもない。
そんなプレッシャーで私の方が心折れそうになるのを、必死でこらえていましたが、
息子はどこ吹く風で、毎日夜遅くまで塾の自習室を使って最後の最後まで追い込んでました。
我が家は公園の目の前にあり、いつも学校から帰ってくると大好きな友達がみんなで公園に集まって遊んでいたので、
見てしまえば行きたくなってしまうからと、塾の自習室へ行くようになったんです。

人が一生懸命になった時の姿ってこういうことなんだろうなと教えられました。
不安がってたり、落ち込んでたりしているうちは、まだまだ余裕なんだと思う。
本当にムキになって、必死になってるときってそういう感情を抱いている余裕すらなくなるものなんだろうな、と。

魂レベルがマジで高い!!!
心の底からそんな風に思いながら息子のまだ小さい背中をいとおしく思いながら応援していました。

しかも、夏の終わりに受けた最後の模試でも合格圏内には到達できず、
結局のところ小学4年生の時から塾で受けてきたその中学校を希望する子たち向けの模試では、ただの一度もまぐれも奇跡も起きず、合格圏内に入ることはありませんでした。
多分、普通の神経であれば、それだけで自信を失うし、弱気になってしまって不思議ではない状況だけど、息子はその弱気をやっつけるように自習室に通い続けてました。

どうしても受かりたいという息子の強い思いだけが、あの日の息子を突き動かしていたように思います。
そういう息子の本質というか、性格というか、何かすごいものを持ってる子だなぁと感じられただけで、
私にとっては生涯忘れられない経験になりました。

これが高校受験であれば、ここまで強烈な親の介入もする余地がなく、二人三脚という話にもそうそうならず親はただただ見守りただただ応援するだけのものであったと思います。
まだ親の協力が必要で、それを子供自身が受け入れられるギリギリ最後の年齢で挑戦できるのが中学受験だと思います。

だから、もしこの記事を読んでらっしゃる方で、中学受験を迷ってる方がいるのであれば、ぜひお勧めしたいです!
今決断するしかない話だと思うから。
あとで、やっぱり挑戦したかったな...なんてことにならないように!!